ビルの地下に設けられたキッチンのショールームは単なる製品展示のみならずメンフィスデザインの名品やベネチアのガラス製品まで各々のデザイン価値を伝えブランド強化を計ることが求められた。したがって空間はそれらに負けない強さをもつものとし大理石の玉石を詰めた蛇籠をガラス面に積み上げ、そのなかにファイバー照明を仕込み存在感を強調することとし、地下擁壁面は逆にその存在が曖昧になるよう艶黒のベネチアスタッコ壁として、ほのかな移り込みも期待した。さらに床もユーズド感を出す為に黒く汚されたボルドーパインのフローリングで仕上げられた。